韓国に駐在していた頃です。仕事柄よく百貨店やショッピングセンターなどの売場に足を運びました。
店頭スタッフとのコミュニケーションや売れ行き状況の確認、競合他社の動向など、売場は情報の宝庫。従って、自らの意志で時間を作って出向くわけです。
一方で、新しいお店がオープンすると、今度は先方が「お披露目会」を催しまして、私たち取引先はそこに顔を出さなければなりません。
先方のお偉いさんを先頭に、取引先や関係者がまるで大名行列のように店舗内を周回するのです。
百人規模の長い列、その殆どがダークスーツに身を固めたオジサンで、私もそのうちの一人でした。
皆さん概ね50代、60代といったところ。当時まだ40代の仲間入りをして間もなかった私は、お店のことより何より、気になっていたことがあります。
それは、両手を後ろに組んで歩く人が多いなぁということと、その姿はあまり格好の良いものではないなぁということ。
と申しますのも、実は自分も長い時間歩いていると「手を後ろに組みたくなる」ように感じ始めていたからです。
この歩き方を「老人歩き」と呼んでいる人もいらっしゃるようで、確かに高齢者にこの姿勢で歩く人が多い。つまり、これは筋力の低下、老化による現象というわけです。
あれから長い年月が経ちましたが、幸い私はまだ「老人歩き」をしないですんでいます。マンション管理員をはじめてからは、筋力が向上したのか???
むしろ韓国時代よりも立っていることや歩くことが苦でなくなりましたから不思議です。きっとストレスが減り、運動量が増えたからなのでしょう。収入も減りましたけど…。