立って聞く

立って聞く

「防衛大学校」時代、座学で学んだ知識はきれいさっぱり忘れていますが、今でも身体が覚えていて無意識に反応することがあります。

それは自分が座っているとき、立っている相手から話しかけられたら、自分もすみやかに立ち上がって話すこと。

自分のほうが相手より上なら、座ったまま聞いてもよい。でも、相手のほうが上ならば、自分は立って聞かなければならない。これがルール。

椅子にふんぞり返っている部下に、上官が立ったまま話をしている光景は、あってはならないのです。

最下級生ですから、起立するケースが多いわけで、それがいつのまにか習慣化し、身体が自然に反応するようになりました。

会社で働き始めてからもこの習慣は続きました。私は社内での職級に関わらず、「立っている相手と話すときは自分も立って話す」人になっていました。

「まぁ、座ったまま聞いて下さい」などと言ってくれる優しい先輩もいましたが、それではこちらが落ち着かないのです。

それに、立ち上がったほうが、双方が対等に話せる感じがして気分も発声もよろしい。時には、おかげで無理難題を押し付けられずに済んだといった副次効果に繋がることも。

もっとも、背の低い人は逆に「威圧感を感じるので座っていて欲しい」のかもしれませんが…。