絶望のスピーキングテスト

絶望のスピーキングテスト

今日は都立高校の入試として初めて、英語の「話す力」をはかる「スピーキングテスト」が行われます。

私はこのテスト導入にずっと疑問を抱いていました。受験生はもちろん、保護者や学校現場の先生方にも反対している人がたくさんいます。

笑止千万なのは『グローバル人材の育成を目指し、「使える英語」教育に力を入れる都の教育委員会が、都立高校の入試で「話す力」をはかろうというテスト(NHK NEWS WEB)』と銘打っていること。

出題内容は、4コマ漫画みたいなイラストをみてストーリーを考え英語で話すとか、「日本では生徒が学校を掃除すると聞いた。私の学校では作業員が行う。どちらがすべきだと思うか」と英語で質問され、それに英語で答えるといったもの。

それらは全て機械が相手。ヘッドホンで録音音声を聞き、自分の答えを機械に録音する。録音されたデータは請け負った民間業者の有資格者が採点するそうですが、なんだかカラオケ採点機みたいです。

つまり「カラオケを歌う度に強制的に採点されるようなシステムにすれば、よいスコアが取りたくてもっと練習するので歌が上手くなる」と都教育委員会は考えている。

でも、そんなシステムにしたらカラオケに行かなくなる。歌うことが楽しくなくなること間違いなしです。

英語も同じ。こんなバカげた制度を導入したら、英語がつまらなくなる。グローバル人材の育成につながるはずもない。

そもそも、いったいどう採点するのでしょうか?例えば、発音の良し悪しは何を基準にするのか?入試という場で果たして公平性を担保できるのか?

BBCやCNNなどのグローバルメディアを見ていればわかりますが、そこに登場する人々の英語は多種多様。アクセントもまちまちだし、地域による訛りなどあって当然。

都教育委員会の言う「グローバル人材」とは、どんな英語を話す人のことを指しているのか是非ともお伺いしたいものです。