来年4月、新宿歌舞伎町に48階建てのビルが建つというニュースを見ました。新宿といえば、今の高層ビル群の草分けである住友三角ビルが出来上がった時分を思い出します。
当時は高層と言えば霞が関ビルくらいしかありませんでしたから、あの霞が関より高いと聞いてビックリ。その後も、霞が関ビルを見下ろすような、超高層が次々と建ち始めます。
その後、サンシャイン60が開業し度肝を抜かれました。「60階」なんて建てて大丈夫なのか、倒壊しやしないかと、中学生だった自分はとても心配になったのを覚えています。
あれから40年以上の歳月が流れ、東京都心はビルだらけになりました。オフィスのみならず住まいもマンションというビルになり、ついにはタワーマンションと呼ばれる超高層。
ところで、先日、新海誠監督の映画「君の名は」がTVで放映されていたので見ていたところ、(正確には覚えていないのですが)「都会のビルは墓石のよう」というセリフが。
この表現が私にはとても新鮮に響きました。早速窓を開けて新宿方面を眺めてみると、確かに墓石にも見えます。
村上春樹の「羊をめぐる冒険」の中にも、「海は何年か前にすっかり埋めたてられ、そのあとには墓石のような高層ビルがぎっしりと建ち並んでいた。」というくだりが。
ビル建設のために亡くなった「美しい景観」の墓石がまた一つ歌舞伎町に…。