四苦八苦

四苦八苦

先週、高校時代の同級生が他界しました。彼とは卒業後とくに接点はなく、最後に姿を見たのは7~8年前に行われた同窓会だったと思います。

とても元気そうで、新しい事業を始めて日々奮闘していると楽しそうに話してくれました。まさか、このようなことになるとは…。本当に残念です。

おなじ時間を生きて来た「同期」。なぜ、今、このタイミングで彼は天に召され、自分は生かされているのか。何が生死を分かつのか。そんなことをつい考えてしまう。

これまでも、学生時代や職場での「同期」が何人か旅立ちましたが、自ら命を絶ったケースばかり。自分とは別世界での出来事のように思えました。

しかし、今回は病気で亡くなったということもあり、つくづく「自分達はいつ何があってもおかしくない年齢になった」という実感がこみあげてきました。

あらためて「生老病死(しょうろうびょうし)」という言葉が頭をよぎります。人が避けることのできない「四苦」。

この四苦にさらに下記の四つを追加して八苦となります。

愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとっく)・五蘊盛苦(ごうんじょうく)の四つです。

愛別離苦(あいべつりく)とは、大切な人や大好きな人であっても、いつかは離れなければならない苦しみ。

怨憎会苦(おんぞうえく)とは、逆に大嫌いな人、顔も見たくない人でも出会ってしまう苦しみ。

求不得苦(ぐふとっく)とは、求めるモノゴトが手に入らない苦しみ。

五蘊盛苦(ごうんじょうく)とは自分の心や、自分の身体すら思い通りにならない苦しみ。

仏教では、この四苦八苦は人間が生きている上で避けては通れない、根源的な〈苦〉として表します。

日蓮宗HPより

この先の人生も、四苦八苦しながら歩むことになるのでしょう。諦観の境地に至るまでにはまだ時間がかかりそうですけれど…。