無くなる仕事

無くなる仕事

雨上がりのスーパー。いつものことだが、店内は混雑、レジは長蛇の列。私は少しでも短そうな列の最後尾に並ぶ。しばらくして、後ろに並んだ二人の会話が聞こえて来た。

「やる気でないんだよね~。5年もたてばAIに抜かれるよ。だから、頑張れないよ…」

「ふ~ん、そうか…」

声の主は“駆け出しのアニメーター”とその母親だろう。声が若い彼はたぶん20代前半。自分の仕事がAIのせいで無くなる運命にあると母にこぼしているのだ。

でも、絵を書くことは大好きらしい。私は「好きならそれでいいじゃないか!余計なことは考えず、まずは好きな仕事に没頭してみれば」と思わず心の中でエールを送ってしまった。