裁判を傍聴する(その1)

裁判を傍聴する(その1)

先週の木曜日、東京地方裁判所へ出かけた。一度体験してみたかった裁判傍聴が目的だ。午前9:30霞が関駅のA1出口。裁判所の建物は目の前にあった。

入口で手荷物検査を受けて館内へ入った。初心者は刑事事件の新件がおすすめと聞き、備え付けのタブレットで本日の開廷スケジュールから該当するものを探す。

「裁判員裁判」の表示を725号法廷の放火事件に見つけた。裁判員裁判は素人にもわかるように説明しながら進行してくれると聞いていたので、この事件に決めた。

エレベーターで7階の法廷へ。既に傍聴人が列をつくって10時の開廷を待っていた。その数およそ50名。しばらくすると扉が開き、順序良く整然と入室する。

コンサートホールの座席のような椅子に腰かけた。ちなみに、席は自由。そもそも傍聴に予約は不要。法廷にふらっと出向けばよい。但し、世間の関心が高い裁判は抽選になる。

生まれて初めて見る法廷は無味乾燥なものだった。事務方のスタッフが2名、機材の確認など直前の準備作業に忙しく動き回っている。

開廷5分前。検察官が3名、風呂敷に包まれた分厚い資料を手に入って来る。法廷内の空気が俄かにピーンと張りつめた。(明日につづく)