聞き分け

聞き分け

歳をとると耳の機能も当然ながら落ちてくる。私の老親は体温計が検温完了を知らせる「ピッピッ」という電子音が全く聞こえていなかった。

通常の会話は聞き取れていたので「えっ?何?」と何度も聞き返されることはなかったのだが、高音域の検知能力はすっかり失っていた。

アラカンの自分はどうか。幸いどの音域もクリアに聞こえるし、テレビやラジオの音量に関しても通常レベルだと思う。

しかし、最近気になり始めたことがある。これをなんと表現したらよいのだろう…「聞き分けにくくなった」とでも言おうか。

相手は「ツボ押し」と言ったそうだが、私には「つもおき」と聞こえた。そんなケースが増えてきたのだ。特に普段あまり使わない単語はキャッチできないことが多い。

相手の滑舌が悪いという可能性もあるが、テレビやラジオの音声でも時々同じ現象を経験するから、やはりこれは私の耳の機能低下だろう。

親子喧嘩をすれば「聞き分けのない(・・)子だね」などと叱られた私だが、半世紀の時を経た今、「聞き分けのできない(・・・・)子」になりつつある。

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かくと

かくと

「荻窪ラジオ」の神木各人(かみき かくと)です。私は国内外で33年間のビジネスマンライフを終え、今は荻窪を拠点にフリーランスとして活動中です。「荻窪ラジオ」では、私のこれまでの経験や、日々の暮らしで考えたことなどを「オンエア」。「読む」ラジオとしてお付き合いいただければ幸いです。

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