習慣化できれば勝ち

習慣化できれば勝ち

かつて私が学校で教わった英語は、「読む」と「書く」が中心のカリキュラムでした。「聞く」と「話す」はほとんどありません。

中学校で基礎を学び、高校、大学では「英文法」「英作文」「英文解釈」といった、あまり英語という教科に似合わない名前の講座も。

こうなりますと、聞いたり話したりする力は備わりませんので、日常生活の現場ではあまり役に立ちません。「使えない英語」という意味で「いわゆる学校英語」などと呼ばれていました。

今はカリキュラムも改善され、昔に比べればずっと「使える英語」が学べるようですね。本当によかったです。

さて、英語を身に着けたかった私は<NHKに感謝「学び」の最強ツールです>でも書きましたように、「学校英語」の不足を補うべく、ラジオやテレビの語学講座をフル活用しました。

それでも圧倒的に足りないと感じていたのが「聞く」力でした。そんな折、出合ったのがアルクの「ヒアリングマラソン」という通信講座です。大学生の時でした。

英語をシャワーを浴びるように聞く、1年で1000時間浴びれば聞き取れるようになると。私はその宣伝文句を信じて飛びつきました。

毎月英語のインタビューなどを収録した教材が送られてきます。それを聞いてもよし、AFNを聞いても、CNNを見てもOK。とにかく1日3時間英語を「浴び」るプログラムです。

四角いマスが千個、すごろくのように印刷された小さな冊子も送られてきました。そのマスを1時間聞く毎に ひとつ塗りつぶしてゆく。今から見ればずいぶんアナログな記録方法です。

マスが塗りつぶされるにつれ、耳が慣れてきました。ただ、その足取りは階段状。少し上がったと思ったら、しばらく横這い。めげずに頑張っていると、また少し上がるといった感じでした。

そのうち英語を聞くことが癖になると申しますか、習慣化してきまして、初回を無事完走した後すぐに再挑戦。2年で2000時間をクリアできました。ちなみに2回目は教材の再利用も含め、自分で適当なコンテンツを選びましたので出費はほぼゼロです。

こうした努力の甲斐あってヒアリング力は向上し、おかげさまで在学中になんとかTOEIC800点越えに。ただ、これは確かに一つの成果なのですが、それにも増して有難いと思うのは「習慣がついたこと」です。

無意識のうちに英語に触れようとする習慣がついていました。これは歯磨きと似ています。習慣化すれば苦になりませんし 忘れません。

この習慣のおかげで、その後も英語と向き合うことへの負荷はほぼゼロです。わざわざ意識しなくても、身体が「英語に触れることを受け入れる」感じです。「アレルギーの逆」とでもいいましょうか。

英語に限らず、勉強の成果を上げるには習慣化が重要だと思います。習慣化できれば勝ちです。そうすれば、気張らずとも自ずと継続につながり必ず結実します。だからと言って実力のほうも楽々うなぎ登りというわけにはゆきませんけれど。