食品から化粧品へ(1)

食品から化粧品へ(1)

私はこれまで3度転職しました。尚、別会社を立ち上げて移籍したり、パートタイマーや業務委託で就業したりといったケースはカウントしていません。つまり、フルタイムの正社員として会社を移った回数です。

最初の就職先はトマトの加工製品で名の知れた食品メーカー。そこで約4年、研究開発や国際購買などを経験させていただきました。

次は老舗の化粧品メーカーに転職。なぜか?一言で申しますと「海外で仕事をしてみたかったから」です。

食品メーカーでの仕事はとても楽しく、出張ベースで海外にもずいぶん足を運びました。若輩者の私にもどんどんチャンスをくれる本当に良い会社だった。

従って、特に不満があったわけではありません。しかし、当時その会社には海外拠点が少なく、海外駐在のポジションは相当「狭き門」だったのです。

それに、そもそも食品ビジネスというのは海外展開に向きません。なぜなら「食」は文化であり、人は基本的に「食」に対して保守的だからです。

つまり、海外のマーケットで日本の「食」を受け入れてもらうには相当の時間と労力が必要なのです。いいモノさえ作れば国を問わずに売れる家電製品のようなわけにはゆきません。

この会社は素晴らしいけれど、このまま勤めていても海外へ出るチャンスは定年まで巡ってこないかもしれない…。

ものづくりには携わり続けたかったので、私はメーカーでもう少し海外拠点が多い、あるいは海外進出に向けてアクセルを踏んでいる、そんな会社を求めて情報収集をはじめました。(つづく)