泣けたら楽になる

泣けたら楽になる

部下が突然死したのは20年ほど前のソウル勤務のとき。彼は30代独身の韓国人で中堅の営業担当者。週末の朝、自宅で亡くなっていたという。

通夜に出向いた。病院の地階に専用の個室ブースがいくつも設けられていて、各々故人の祭壇を背に親族2~3名が弔問客を迎える。

そのうちの1つのブースに案内された。ご家族は号泣していた。隣のブースからも号泣する声が聞こえてくる。弔問客も泣いている人ばかりだった。

日本人は感情を内に秘めて忍び泣くが、韓国人は感情を抑えることなく声を出して泣くのだと知った。泣くことで悲しみを癒すのかもしれない。

泣くことは悲しみや苦しみを和らげる作用があるのだろう。私たち日本人も大声で泣けたら、きっともっと楽になれる。