父の入院から まる1週間が過ぎました。
3日前に看護師さんから「尿取りパットがなくなる」との連絡をうけ病院に届けました。コロナ禍で面会は不可にて、ナースステーションに預けてくるだけです。
「では、よろしくお願いします」とあいさつしてエレベータに向かうと、車いすに乗った父にばったり出くわしました。これから歩行訓練とのこと。顔色もよくて元気そうです。
あれから今日まで連絡がないところをみると経過は順調なのでしょう。実家で母と2人きりの暮らしに比べれば、入院生活はそれなりにストレスがあるでしょうけれど、ずっと快適なのかもしれません。
もしかしたら以前よりも元気になって戻ってくるのではないかと。もちろんそれは歓迎すべきことですが、一方で心配が2つあります。
ひとつは、父の認知症が進行すること。
たぶん、あと1週間程度でリハ専用病院に転院することになります。そこから2~3か月はリハビリ。
その間も面会謝絶なので、数か月ものあいだ私たちとの接点がない。退院時に迎えにいったら「どちら様ですか?」などと言われかねません。それに退院後の母との生活が再び軌道に乗るかどうか…。
もうひとつは母の不穏。
こちらは現在進行形です。突然一人暮らしになった母は状況が理解できず不安をつのらせています。
父は入院したと何度も伝え、紙に書いて壁に貼っておいても記憶できず、ただただ得体のしれない恐怖感が彼女を襲っているようです。
特にひどかったのが、火曜日の夜。90分の間に17回 私の携帯電話が鳴りました。同じ時間帯に妻の携帯も数回。「こ…こ…こ…怖い、怖い、た…た…助けて!」どもりながら震える声がします。
電話で対応がつかないと現場(実家)に急行するのですが、本人は「怖い、怖い…」とそわそわするばかり、こちらは「大丈夫、大丈夫、心配ない」と繰り返すばかり。
何とか気を逸らそうと、甘いものを勧めたり、昔の写真を集めたアルバムを見せて過去の思い出にいざなってみたり。ようやく少し落ち着いたところで帰ると、また電話が鳴ります。
毎週水曜日は入浴デイサービスがあり、送り出しを妻が対応してくれています。いつもデイサービスから帰ってくると母は不穏になるのですが、父がいることで何とかおさまっていました。
しかし昨日は父がいない。そこで帰宅時間を見計らって妻が実家で待機。その後、夕食対応まで終えた妻は「ゆっくり食事をしてもらって、何とかうまく落ち着いたよ」と。
さすがはプロ!と思っていたら、私の電話が鳴りました。再び不穏スイッチが入ってしまったのか…とりあえず一旦、留守電に受けてもらいます。
メッセージを再生してみてビックリ。どもりは全く無く、穏やかな口調で「明日お会いできますか、うちに寄ってください。待っています!」まるで別人でした。
何かのきっかけで不穏スイッチがオフになったのですね。その後 本人からの電話はありません。
さて、スイッチが再びオンにならないようにするには何をどうしたらよいのか?結局、上手くいくときも、いかないときも、その原因が特定できることはまずありませんね。
認知症高齢者の介護とはそういうものだと、自分を納得させるよりしかたなさそうです。