街場の天皇論(内田樹 著)

街場の天皇論(内田樹 著)

内田先生の著作は端から読んできたが、なぜかこの「天皇論」だけは、ずっと関心が湧かないままだった。

ビジネス界に身を置いていたせいだろう。天皇はあまりに遠い存在であり、皇室の話題や天皇制といったことは、早い話「どうでもいい」と思っていたのだ。

しかし、ビジネスの第一線から離れたせいだろうか、去る2月の天皇誕生日には、天皇についていろいろと考える自分がいて、ついに本著を手に取った。

天皇とは世俗権力なのか、それとも道徳の中心なのか?象徴としての天皇とは何者なのか?…こんなに深く天皇について考えたのは生まれて初めてだ。(文春文庫)