鈴の音

鈴の音

職場ではカギを常時数本じゃらじゃらと持ち歩く。管理物件の出入口、共用スペースにある倉庫やポンプ室、非常口などのカギだ。

これらカギの管理は長年なおざりになっていた模様で、私も就業以来なにかと不便を感じていたのだが、数か月前に本部スタッフが集中的に点検・整理してくれた。

「これで、すっかりキレイになりました。今後、普段はこれを1セット持ち歩いて下されば事足ります」と、キーホルダーに鈴なりについたカギをスタッフから受け取る。

おかげで重複などが解消され、持ち歩くカギが少し減ったが、一方で、新たに小さな鈴が一つついてきた。今まで鈴はなかったから、「鈴付き」が標準仕様ということか。

この鈴が歩く度にリンリンと音を立てる。これが最初は耳障りに感じたのだが、最近はすっかり慣れてむしろ心地よい。

思えば昔は、自転車や家のカギ、猫の首輪、店の引戸、神社の賽銭箱の上…鈴の音は日常だった。

今では、スマホや家電製品が奏でる電子音に占拠されてしまったが、あのリンリンというアナログ音は、やはり人の耳に優しく響く。