敗者の想像力(加藤典洋 著)

敗者の想像力(加藤典洋 著)

高校生のための現代思想エッセンス「ちくま評論選」—これは、娘が学校の授業で使っている教科書なのだが、とても面白いので時々借りて読ませてもらう。

プロローグを内田樹、エピローグを大江健三郎が記し、國分功一郎から丸山眞男まで錚々たる顔ぶれの評論を厳選抜粋したオムニバスだ。

その中にあった著者の<敗者の想像力—『千と千尋の神隠し』>を読み、ジブリファンの私は大いに感銘をうけ、今回、その原典となる「敗者の想像力」を読んだ次第。

本著では「千と千尋…」も包含するより大きなテーマ、すなわち日本人として「戦後」をどう認識し向き合うべきかという深い論考に触れることができる。(集英社新書)