どうする財源(中野剛志 著)

どうする財源(中野剛志 著)

財政、つまり政府の会計について大変勉強になる一冊だった。資本主義経済の基本的なしくみを踏まえ、同社会における官(=財政)と民(=信用創造)の貨幣循環(=経済そのもの)をわかりやすく教えてくれる。

そもそも「財源」とは、「貨幣」とは、「税」とは、「資本主義」とは、更には政治家が頻繁に口にする「国民の負担」とは何なのか。そうした根本的な問いに対する解説は圧巻だ。

いわゆる「国の借金」がどんどん膨らみ、国債の利払いだけでも莫大な金額、このままでは日本は破綻するといった話をよく耳にするが、こうした言説が実は的外れな議論であることが理解できで少し安心した。(祥伝社新書)