今夏の全国高校野球、決勝戦の仙台育英x慶応をライブで見た。高校野球の試合をフルにTV観戦したのはたぶん三十数年ぶりのことだと思う。
先週の小欄(「一球入魂」)で、高校球児の脱丸刈りトレンドに好感をもったと書いたが、両校ともに髪型は自由とのこと。
ちなみに4強に残った4校のうち3校が「自由」だったそうだから、もはや野球の実力と髪型は全く関係ないことは証明されたと言えそうだ。素晴らしい!
昭和の根性論は影を潜め、令和の新しい高校野球のスタイルがこれから徐々に出来上がってゆくのかもしれない。
一方で、決勝戦を見ていて少し気になったのがプレー中の選手の笑顔だ。特に両校の投手がマウンドで見せる笑顔に違和感を覚えた。
「だらしない」とか「ヘラヘラしている」と言いたいのではない。どこか無理に笑っているように見えたのだ。
「野球を楽しむ」=「笑顔でプレーする」という単純化された公式に、選手が合わせているかのように映った。
マウンドで奮闘する投手。苦しいときには苦しい表情を見せて欲しいと思うのは、やはり私が昭和の価値観を捨て切れていない証なのかもしれない。