タイトルに惹かれて思わず手に取った一冊です。「2年」という何とも微妙な時間設定。
「老い」や「死」を忌み嫌い、むやみに抗ったり遠ざけたりしても何も良い事はない。誰しも避けて通れないのだから、むしろ、それを受け入れることを考えようという提案です。
その中身は期待に違わず面白かった。寿命に逆らい無理に延命する医療が、いかに当人を苦しめているか。穏やかに死にたければ、とにかく「医療から遠ざかれ」と医師でもある著者は説きます。
私も老親の介護を通じて、延命治療については何度も考えさせられ、勉強もしてきました。実際に父の終末を迎えた際には、無益な治療は一切しないよう求めた。
しかし、いざ私が自らの死を目前にした際、果たして医療を遠ざけることができるか?そのほうが、苦しまず穏やかに旅立てるし、周囲への負担も少ないと頭ではわかっているが…。
やはり「まだ、死にたくない」という生への執着心が湧いてきてしまうのでは…。そうならないように、本書からさまざまなアイデアをもらいました。(幻冬舎新書)