国際通貨研究所理事長の渡辺博史氏が10月16日の読売新聞で「今の円安は金利差の問題のみならず、日本のエネルギーや食糧自給力の弱さが現れている」と述べていました。
つまり、目先の投機的な話ではなく日本経済の構造的な問題だというご指摘。私は大いに共感しました。
専門的なことは難しくてよくわからないけれど、通貨の価値は、その国の魅力を表象していることはよくわかります。
昔の「ディズニードル」で考えてみればわかりやすいですね。ご存知、ディズニーランド等の施設だけで使えるおカネ。
面白いアトラクションが減り、サービスレベルも低下となれば、ディズニーランドに行く人が減ります。従って、そこでのみ通用するディズニードルは売れず値崩れする。
日本の魅力が低下となれば、日本のモノやサービスを購入する人が減ります。従って、そこでのみ通用する円は売れずに値崩れする。
ところで、初めて米国に出張した時、お土産物屋さんに“over the hill”と書かれたマグカップを見つけました。一緒にいた現地の職場仲間に意味を尋ねたところ「俺のことだよ(笑)」と。
すると横にいたもう一人が「それは私よ。あなたはまだまだ(笑)」と、こちらを差し置いて勝手に盛り上がっていました。
肝心の意味ですが、「(人が)ピーク・最盛期を過ぎた」ということ。つまり、“丘を越えて”あとは下るだけということです。
このところの円安は“over the hill”の予兆なのかもしれません。