数年前のこと、元大手不動産会社を辞めて独立したという人物に出会ってから不動産投資に興味をもつようになりました。
その方は、荻窪周辺の古いワンルームマンションを800万円で購入したのがはじまりだったとのこと。荻窪と聞いてますます関心が高まります。
そこで、早速無料セミナーに参加したり個別カウンセリングを受けたり。本も何冊か読んでみて、これはいけるのではないかと、すっかりその気になりかけました。
さすがに借入までして投資する気はなかったのですが、もし手持ち資金で安価なワンルームがうまく手に入れば…と捕らぬ狸の皮算用まで。
本やセミナーで語られているのは極言すれば次のようなことです。
- 1000万円の物件を買って賃貸に出す
- 家賃が月8万円なら年間約100万円の収入
- 従って表面利回りはおよそ10%にもなる
たしかにその通りなのですが、最終的に私が至った結論は「そんな都合のよい物件は手に入らない」ということです。
つまり、8万円の家賃を取れるような物件を1000万円で買える確率は極めて低いということ。これは、ネットで売物件と家賃相場を比較してみればすぐにわかります。
表面利回り6%~8%を上回れば購入検討の価値ありなどと言われます。しかし、マンションやビルの一棟買いといった億単位の世界なら別でしょうけれど、手元資金が乏しい個人が扱える物件には、そんな「価値あり物件」は見当たりません。
また、どのセミナーでも物件の値段は下がらないという前提で話が進みます。しかし、
「老朽化しても価値が下がらない」物件が本当にあるなら、これは奪い合いになるでしょうから、やはりこれとて手に入りません。
結局、私の不動産投資への関心は一過性に終わりました。
ところで、ここ数年、特に都市部では中古マンションの相場が上昇中。ということは、あの時投資しておけば今頃は大富豪???いえいえ、そうあまくはないでしょう。
不動産は変数が多く、とにかくケースバイケースです。読んで字のごとく流動性も低い。生半可な気持ちで踏み込むにはリスクが大きすぎると思います。
もっとも、資力を鑑みますと私の場合はそもそも参加資格無しということです。