何かを続けることは本当に難しいものです。「継続は力なり」という言葉がありますが、まさしくその通りです。続けることができれば、それがすなわちパワーを生みます。
「3日坊主」という言葉が示すように、「よ~し頑張るぞ!」と意気込んでも 3日も続けばよいほう。実際にはなかなか「続かない」ですよね。
私の場合、この「3」という数字がいつも節目になったように思います。継続できるか、出来ないか、その分岐点は「3」がつくときにやってくる。いや、むしろ自分で意識的にそう考えていた面もあります。
例えば、転職のように環境が大きく変わるといったケースでいえば、新たな職場に継続勤務できるかどうか、頑張れるかどうかという心理的な圧力が「3」のサイクルでやってきました。
まずは「3日後」です。これは「3日坊主」で述べたように、多くの人が感じる最初のハードルでしょう。直感的に漠然とした負担を感じてめげそうになります。
そこを越えると、次は「3週間後」です。少し緊張感がとれて、周囲が見えてくる。それでも「慣れ親しんだ環境でスムーズに動けていた前職の自分」と「まだまだヨチヨチ歩いている現職の自分」とのギャップを意識し、少し嫌気がさしてきます。
そこをやり過ごしたら、次は「3か月後」。仕事のペースもつかみ、業務にもだいぶ深くかかわり始めるのですが、前職での地位、収入、評判、実績など、転職で失ったものの大きさを意識し、これで本当によかったのか?という思いにかられます。
この「3か月後」はけっこう大きな山で、嫌気どころか魔が差しそうにさえなります。しかし、これを無事乗り越えれば、次の山は「3年後」まで来ません。
ちなみに私の「3か月後」は、(少し魔が差して)人材紹介会社に相談にいったり、他社の求人広告に応募したり、実際に動きました。でも、当然どこも採用してくれるはずがありません。
冷静に考えてみれば当たり前のことです。転職してわずか3か月で次の職をさがすような人材は、どこも欲しくありません。だって、採用しても、また同じことを繰り返すかもしれないと人事担当者は考えますから。
さて、話を「3年後」に進めましょう。この時は、これまでの「3」とは違います。
これまでの「3」は正直なところ「現実逃避」の感が否めません。逆に言うと、だからこそ、なんとか自分なりにストレスを発散するなり、気持ちを切りかえるなりして克服できるものです。
それまでの「3」は小さな節目ですが、分岐点というほどのものではないのかもしれません。
でも、「3年後」の「3」は「自分のさらなる成長」という健全な動機がベースにあります。だから、とても難しいし、悩ましいわけです。きっと、これはホンモノの分岐点と言えるでしょう。悩むに値すると思います。
「3」といえば「石の上にも3年」という言葉もあります。小さな節目にめげることなく、何事もまずは3年くらいはやってみることをお勧めします。腰をすえて、目の前にある仕事をコツコツとこなしてゆけば、必ず次の道は開けてきますから。
思い悩むのは、「小さな節目」に於いてではなく、「石が暖まって」からでも決して遅くはありません。