一本とられた

一本とられた

11月の「子ども日本語教室」ボランティア。生徒数は更に増え、教室は益々賑やかさを増してきた。

前回担当した「質問攻め」のMくんがお休みで、今日は初顔合わせのIくんを担当。中国籍、算数好きで日本語能力も十分な小学4年生。日本語を学ぶとうより、ここで様々な国籍の子供たちと過ごすのが楽しくて通ってくるそうだ。

そんなIくん、大きな声で国語の教科書を音読している。学校の宿題だそうだ。休まず一気に17頁を読破。素晴らしい集中力だ。

「上手に読めたね!」と褒めてから「“百姓”を“ヒャクヒメ”と読んでいたけど、これは“ヒャクショウ”と読みます」と教える。「姓」を「姫」と間違えたのだろう。

続いて「百姓って何だか知っている?」と聞くと「知らない…」と。そこで説明しようとするも、良い回答文が浮かばずちょっと焦る。

次の瞬間、とっさに口をついて出たのが「野菜や果物を作る人。田んぼや畑でお仕事する人たちのことだよ」。ほっと胸を撫でおろす。

するとIくん「あぁ ノウカのことか!」と満面の笑み。紙に漢字で「農家」と書いてくれた。お見事!一本取られた気分だった。