間違い電話

間違い電話

仕事中に電話が鳴った。0120で始まる番号だから営業に違いない。どうせ保険、クレジットカードあるいは新聞購読の勧誘だろう。無視した。

作業が一段落したので、さっきの番号を検索。なんと電話の主は、過払い問題を解決しますという宣伝をよく見かけるアディーレ法律事務所だ。となると用件はいったい何だろう。

「0120-316-742からの着信の理由や対応方法は?無視しても大丈夫?」といった記事も検索結果の上位に出てくる。

クリックしてみると「着信が来たら、無視をせずに一度電話に出るべきです」と。アディーレに頼まれたライターが書いたコラムだろうか。

「あなた自身が、あるいは家族や友人が金銭トラブルに巻き込まれている可能性があるから、無視しないで電話に出たほうがよい」と、優しい言葉づかいで恐怖心を煽る。

あくる日、再び0120-316-742の着信表示。316-742は「サイムナシニ」という語呂合わせだとホームページに書いてあったなぁと思いつつ受信ボタンを押す。

「もしもし、イケダ○○様の携帯電話でお間違いないでしょうか?」ときた。「ちがいますが…」と答える。単なる間違い電話でよかった。