トイレットペーパー収集癖

トイレットペーパー収集癖

父の入院から6週間が過ぎました。リハビリ病院に移ってからは3週間ですが、コロナ禍で面会禁止ということもあり、状況はまったく分かりません。

ただ、病院からは何も連絡がありませんので、順調にリハビリに励んでいるということだと思います。

一方、母の「ひとり暮らし」も6週間が過ぎたことになります。依然として波はありますが、不穏に関しては小康状態。

まだ、夜になると恐怖感に襲われるようで、落ち着かないのですが、夕食を準備し、ひととき世間話をしたり、昔の写真を一緒にみたりするうちに、なんとか収まってきます。

気温が少し下がってきたせいもあるのでしょうか、水の飲みすぎもずいぶん抑えられ、食欲も戻ってきました。

ところで「ひとり暮らし」になって、母は新たな「行動」をはじめました。トイレットペーパーを部屋のあちらこちらに置くようになったのです。

これまでも、乾物を冷蔵庫にしまったり、バナナを冷凍したり、洗面所の手拭き用タオルをバンダナにかけ替えたり、電化製品のコンセントをすべて抜いてしまったりといった不思議な行動は枚挙に暇がありません。

ただ、トイレットペーパーだけは父の独壇場でした。トイレの棚にストックしてあるロールが、食卓の上、ベッド脇など いつの間にか室内数か所に散在している。棚に戻しても、必ず翌日には棚からなくなって別の部屋に置かれているのです。

代わりに箱ティッシュを置いても、それはあまり使いません。上手く取り出せないのか、いつの間にか外箱が破壊されていることもしばしば。

しかも、父の場合、トイレットペーパーを10cm程度の長さに切って畳んで、ポケットに常備する癖があります。

このため、父の洗濯物には要注意。ポケットを確認せずに洗濯機に入れてしまうと後が大変です。いままで、何度か痛い目に合いました。

そんな父が不在になると、今度は母がトイレットペーパーの「取り扱い」をはじめたのです。さすがにポケットに常備するところまではしませんが、食卓に2ロール、テレビの横に1ロールという具合に、部屋のあちらこちらに配りはじめました。

気づくたびに、トイレの棚に戻しておくのですが、翌日訪問すると元の木阿弥です。

こうした収集癖は認知症の典型的な症状の一つですね。特にトイレットペーパー、ティッシュペーパー、紙タオルなど「紙類」が人気とのこと。「オイルショック」の記憶から、確保しなければ!という心理が働いているのでしょうか?

もっとも、今回のコロナ禍で、認知症でもない私たちは競ってトイレットペーパーを買い集めていました。両親の「行動」を「不思議だ」などと言う資格はなさそうです。