JR時刻表を買いました。あの電話帳みたいな分厚い冊子のことです。最後に買ったのはいつだったか…ずいぶん久しぶりの購入。
インターネットやスマホの普及で時刻表は電話帳同様、すっかり無用の長物になった感が否めません。
ただ、本屋の店先には毎月この大型版に加え、ポケットサイズ版も積み上げてあるのを見かけますので、毎月購入するマニアからたまに買う人まで、一定の需要はあるのでしょう。
今回私の場合は、たまたま新聞で「時刻表2万キロ(宮脇俊三)」の書評を読みまして、急に時刻表をのんびりと見たくなったのです。
子供の頃は家にある時刻表を熱心に読んでいました。鉄道好きで、「日暮里(にっぽり)」という駅名はめずらしい読み方だから、きっと何か特別な駅に違いないと、親にせがんでわざわざ連れて行ってもらったことがあります。
さて、時刻表を見ながら日本全国を旅する空想は意外と面白いものです。始発に乗って各駅停車だけを使って、1日でどこまで遠くに行けるかなどと調べてみる。
今はすっかり少なくなってしまったのですが、寝台特急のような長距離列車の運行を追ってゆくのも楽しい。始発から終着駅までページを行ったり来たり。
小学生の頃、寝台特急の「みずほ」や「あさかぜ」に乗って父の実家がある九州に出かけたことを思い出します。
こうしたことはスマホやネットでは難しく、紙に印刷された時刻表ならではの楽しみ方。一冊1,205円(税込)ですから随分と安上がりな「旅」です。
コロナも収まってきましたので、そろそろ「時刻表片手に」、いや、ちょっと重いので実際には「スマホ片手に」、本当の「旅」に行きたいなぁと思う今日この頃です。