潜水艦に乗る

潜水艦に乗る

防衛大学校に在学中、潜水艦に乗せてもらったことがあります。もちろん、アトラクションではなく訓練の一環として。

残念ながら航行したのではなく、横須賀で停泊中の艦内を見学させてもらったというだけの話ですが、それでも、ふつうはなかなか出来ない誠に貴重な体験でした。

同じ小隊にタイの留学生が2名いまして、普段は私たちと全く同じ学生生活を送っているのですが、潜水艦見学の時だけは、国家機密保持の関係で乗艦が許されませんでした。

圧巻だったのは潜望鏡です。実際に覗いて操作させてもらい、その大きさや画像解析度の高さに度肝を抜かれました。当時としては最先端の技術だったに違いありません。

自転車のハンドルみたいな棒を両手でつかんで動かせば、360度あらゆる方向の様子を確認できます。すこしずつ右に回してみたところ、ちょうど港の対岸にいる人々の様子が映し出されました。

しばらくして、堤防に仲良く座って楽しそうに会話しているカップルを発見。思わずズームで拡大してみたところ、背後から仲間たちの笑い声が…。

私が潜望鏡で何を見ているかは、傍に設置してある複数のモニターに大きく映し出されていることを、すっかり失念していました。

あれから40年、今の潜水艦の潜望鏡は当時から比べれば想像を絶するくらい進化したものになっていることでしょう。いつの日か、その凄さを体感してみたいものです。