政界にも流行語のようなものがあるのでしょう。例えば「異次元」。異次元の金融緩和が終わったと思ったら、今度は異次元の少子化対策。「ちゅうちょなく」も多用されています。
流行語から常用語に定着した言葉もあります。例えば安倍前首相が好んで使い始めた「丁寧に」はその一つ、というのは私の個人的な見解。
瞬く間にひろがり、国会答弁や記者会見で「国民の皆様に丁寧にご説明して参ります」といったフレーズが、今では当たり前に使われています。
実は私も影響を受け、日常のコミュニケーションでふつうに使うようになりました。今や「丁寧にご指導いただき有難うございます」はストックフレーズに。
さて、言葉が命と言われる政治家の皆さんですが、「丁寧に」を連発するけれど、果たして本当に「丁寧」を実現して下さっているでしょうか。
丁寧を辞書で引くと「注意深く心がゆきとどくこと。また、てあつく礼儀ただしいこと。(広辞苑)」と書いてあります。
目下、通常国会開会中。答弁を聞けば、確かに「礼儀ただしい」けれども、「心がゆきとどく」言葉を耳にしたことはありません。