日本でも医薬分業がすっかり定着したように思います。かつては、お医者さんに診てもらうと その場で薬を出してもらいましたが、今は処方箋をもらうだけ。それを持って自分が選んだ調剤薬局(かかりつけ薬局)に行けば薬を購入できます。
私は調剤薬局の経営にも携わった経験がありますが、「分業」とは言っても、やはり医療機関あっての薬局であることは間違いありません。薬局独自の取り組みなども検討はしましたが、なかなか難しい。
患者がかかりつけ薬局を持てば、薬が一元管理できるので多剤投与や重複投与を防ぐとか、医師よりも気軽に相談できるといった理想像は理解できますが、現実は厳しい。
近所に新たな医療機関が薬局(いわゆる門前薬局)を引き連れて開業したり、調剤専門の大手やドラッグストアなどもどんどん出てきたり、常に厳しい競争にさらされます。
それに薬剤師の確保も本当に大変です。そうした中で地元密着の独立店は次々に淘汰されてゆき、当方の薬局も結局最後は大手の傘下に入ることになりました。
ところで、私は最近かかりつけ薬局を変えました。これまでは、かかりつけ医のいわゆる”門前薬局”を利用していましたが、両親の薬をお願いしている実家近くの薬局に変更です。
なぜなら、門前薬局の薬剤師さんが変わったからです。その方はとても仕事熱心で結構なのですが、薬をもらう度に根掘り葉掘りいろいろと質問攻めにされるのです。
私はコレステロールがやや高いので定期的に薬を服用しているのですが、こちらから何も相談していないのに、食生活から具体的なコレステロール数値まで聞いてくる。
待合室には他の患者さんもいるなかで、私は「いや、数値まではよく覚えていないですね…」などとかわし、さっさと切り上げてくるのですが…。
処方箋を持ち歩く手間は増えますが、この“ウザイ”対話をしないで済むならそのほうがずっと良いです。それに、両親の薬をとりにゆくついでに受け取ってくればよいわけですから。
嬉しいことに、その薬局は「処方箋をスマホで写真にとってアプリで送れば受付完了」というサービスを提供していることがわかりました。これなら、待ち時間もゼロ。両親の薬も自分のも、今はこのアプリをフル活用しています。