「人間関係は全部足すと十になる」という持論があります。作家の山口恵以子さんが人生案内(読売新聞2023.11.3)に書いていた。親子関係に悩む相談者への回答の一部。
「関係が悪い人もいれば、いい人もいて、全体にバランスが取れているという意味です。親子関係が悪かった人は伴侶、友人、仕事仲間と良い関係を築いている人が多いです。」と。言われてみれば確かにそうかもしれない。
苦あれば楽あり、不運があれば幸運あり、山高ければ谷深し…。「人生はプラスマイナスゼロで、誰もみな平等」と常々思う。
山口さんの持論は、これと同じコンセプトを「人間関係の良し悪し」に適用したものということだろう。とても面白い。考えたこともなかった。
では、この論理を自分にあてはめてみたらどうなるだろう。果たしてバランスがとれているだろうか?
家族や友人、仕事仲間との関係は良好だと思うものの、もしそうなら、バランスをとるべく他の誰かと悪い関係になっているはずということになる…。