ラジオをつけっ放しにしていたら「NHKひきこもりラジオ」が始まった。毎週金曜日のオンエア、ひきこもりの方々から寄せられるメッセージを紹介・共有する番組と知る。
アナウンサーがスタジオに届いたメッセージを淡々と読み上げ、簡単なコメントを添えてゆく。ときどき音楽も流す。いわゆる専門家やコメンテーターがいないので、余計な解釈や説明がないのが心地よい。
しばらく聞いていたら「60歳男性から手紙でメッセージを頂きました」との声に、私は思わず聞き耳を立てた。
私は中学生からひきこもりの60歳男性です。もう還暦です。すべてを投げ出したい 悩み疲れた心と体をからっぽにして。とは言え、まだ生きている、この世に存在している。命の活動の証を、この世に生きているうちに残せないものか。家族のないこの孤独な部屋で 気持ちは揺れ動いています。
どのような事情があって半世紀ちかいひきこもり生活にいたったのか。私たちに何かできることはあるのか…。
残念ながら私の想像力がほとんど及ばない。絶望の淵に追いやられたような気持ちになった。