デジタル化が生むムダ

デジタル化が生むムダ

SNSやメールの普及で,手紙やはがきの取扱量が激減しているのはご存知の通りです。私も本当に郵便を利用しなくなりました。年賀状の出状枚数が1ケタになるのも時間の問題です。

一方、お役所の手続きや通達などの領域では、郵送が今も「健在」です。「デジタル化」の掛け声は聞こえてきますが、その実現にはまだまだ時間がかかるのではないでしょうか。

私は両親に代わって介護関連の郵便物をたくさん受け取ります。中には「そこまで、仰々しい文書にしなくても…」と思うような簡単なお知らせが、角印まで押され、しかも「封書」で届くことがしばしばあります。

同じ住所の両親に宛てて全く同じ案内が、それも、単なるお知らせ程度のものだったりするのに、別々の封書で届くことがあります。

先日「介護給付費のお知らせ」が父宛にハガキで届きました。表面、裏面をはがして中を見るタイプのハガキ。でも、なぜか2枚届いています。何かの間違いなのか?

早速はがしてみると、そこには給付費の明細が、全部で20行印字されていました。そしてもう一通には、全く同じフォーマットで明細が4行印字されています。

どういうことなのか瞬時に理解できなかったのですが、よくよくみると右上に1/2の印字が。もう1通には2/2とあります。

つまり、給付費の明細を印字すると全部で24行になるが、ハガキ1枚につき20行までしか印刷できないらしい。そのため、20行と4行に分けて2枚のハガキに印字されて郵送されたというわけです。

このわずか4行のために郵便代金は2倍になっているのです。父はそれほど多くの給付を受けているとは思えません。そうなりますと、人によっては4~5枚もこのハガキを受け取ることになります。

これはたぶんシステム設計上のミスではないでしょうか。せめて裏面を活用すれば40行まで印字できるのでは?

裏面には、あまり重要とは思えないQ&Aが大きな文字で印刷されていました。この情報にこれだけスペースを使ってしまうとは…もったいない。

たしかに一連の業務はデジタル化されたということなのでしょうけれど、そのために生じるムダはきちんと検証されているのか?改善できる余地はまだまだありそうです。