アルバイト先で毎月2~3回一緒に勤務するAさん。理由はよくわからないのですが、彼が時々サポートに入ってくれるのです。
この道10年以上のベテランで歳は70代後半。実直で涙もろく、裏表のない非常にわかりやすいお人柄。まるで、子供の純粋さはそのままに肉体年齢だけを重ねたかのような人です。
そんなAさんは、諸事情あって五十過ぎから英語の勉強を始め、すっかり英語にハマったとのこと。そういえば職場にいつもNHKテレビ英語会話のテキストを持ってきます。
残念ながら英会話はまったく出来ないそうですが、辞書で英単語を調べるのが楽しいようで、いつも仕事はそっちのけで辞書を調べては私に英単語クイズを出しまくります。
ご自身が興味を持った単語を見つけては、その意味を私に問うわけです。しかし、Aさんは英語の発音が大の苦手なので、私はめったに正解に辿り着けません。
例えば「enthusiasticの意味は何でしょう?」という問題の場合に、Aさんの“enthusiastic”の発音やアクセントは跡形もなく壊れていますので…。
それでも、私は語彙力向上の一助?になりますし、回答に窮する私を見ながらAさんは上機嫌で働いてくれる。まさか英語がこんな形で職場の潤滑油になるとは夢にも思いませんでした。