今日は、昨日の「老人ホーム」のつづきです。4年間介護した後、父は他界、母は「施設」に移りました。なぜそうなったのか?
私たちが両親を介護するなかで最も悩み、迷ったことのひとつが、「施設に入るか否か」でした。特に認知症の周辺症状が強く出ていた母をどうケアするか。
当然ながら本人の意思を最大限尊重すべきゆえ、本来はこちらが悩む必要はないのですが、認知症の場合は話が別です。本人の意思がよくわかりませんから。
それでも地道に粘り強く対話を重ね、本人がどうしたいのかを理解するように努めました。けれども、昨日は自宅に留まりたいと言ったのに今日は家を出たいと言う…。
ただ、よく考えてみれば健常者でも「老人ホームに行きたいか、家で看て欲しいか」と問われれば、逡巡としてしまうでしょう。母の言うことが定まらないのは無理もありません。
一方で、客観的に見れば母は典型的なグループホーム向け高齢者。なぜなら、身体機能に殆ど問題がなく、声掛けなど支援さえあれば家事や身の回りのことはこなせるからです。
それに、宅配のお弁当や訪問ヘルパーに対する拒否反応が相当強い。これは在宅介護への大きな懸念材料です。
つまり、本人の意思や経済状況などを一旦措き、本人の心身状態から率直に判断すれば、母はグループホームが最適。
ちなみに、訪問ヘルパーなど在宅介護に対して拒否反応が全くない父は在宅介護が最適。そんな状況でした。(明日につづく)