荻窪でバケツをさがす

荻窪でバケツをさがす

あれは今から2年ほど前のこと。荻窪でポリバケツを探しまわったことがあります。

娘の小学校で稲を植えて育てるという実習があるとのことで、各自10Lのポリバケツを学校に持参するようにと。

そこで、実習の前日午後6時過ぎだったと思いますが、私はバケツを買いに西友へ。売場に着くと、そこに女の子が一人ぽつんと途方に暮れて立っています。

声をかけたところ、娘の友達でした。一人でバケツを買いに来たけれど10Lサイズのものが見つからないというのです。いやな予感…。

きっと同学年の他の子供たちも、ここ数日の間に購入したでしょうから、それが原因で品切れになったに違いありません。

店員さんを呼んで尋ねると、「10Lサイズだけが売りきれちゃったんですよ、申し訳ありません…」と。私はその子と目を見合わせて、さぁどうしたものか。

「近くに金物屋さんがあるから、一緒にそこへ行ってみようか?」

「はい、行きます!」

金物屋さんに着くと、もうシャッターが半分降りていて店じまい寸前のところでした。

「すみません!」と声をかけると奥からオジサンが出てきてくれました。

「10Lのバケツは残り1つしかないんだよ、なんだかこのところよく売れてね~」

やはりここでも同じ現象が起きていたようです。

私はその子に、「じゃこれを買って、おうちに帰りなさい。お父さん、お母さんが心配しているといけないから」というと「それはわるいので、お先にどうぞ」と。それに、持ってきたお金では少し足りないので買えませんと言います。

そこで、とにかくまずはこの1つを私が買って確保。

「もう一つ、一緒に探そうか?」

「はい」

しかしながら、二人ともバケツを売っていそうなお店が思い浮かびません。ホームセンターも近くにないし…。まさかルミネにはそういうお店はないですし…。

しばらく考えて込んでいたのですが、はっと気が付きました。目の前にドンキホーテがあるじゃないですか!青梅街道を挟んで金物屋さんのはす向かいです。

さっそく行って、店員さんにたずねたところ「うちに今あるのは…これだけですね…」とつぶやきながら梯子を持ってくると、商品棚の最上段の奥客の視界には全く入らないような場所に手を伸ばし、なんと青いポリバケツを一つ取り出して、梯子をゆっくり下りてきたのです。

「何Lのサイズですか?」

「えぇ―っと、10Lですね。」

その若い男性の店員さんが神様に見えました。さすがドンキ!でも待てよ、あの子またしてもお金が足りないのでは?と思いきや

「SUICAなら持っています」

「そうだったのか。あの金物屋さんはたぶんSUICA使えなかったもんね」

支払いも無事完了しお店を後にしました。バケツ探しの珍道中@荻窪。「ポリバケツ調達」のミッションを終え、私は意気揚々と家に帰りました。やっぱり荻窪は便利です。

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かくと

かくと

「荻窪ラジオ」の神木各人(かみき かくと)です。私は国内外で33年間のビジネスマンライフを終え、今は荻窪を拠点にフリーランスとして活動中です。「荻窪ラジオ」では、私のこれまでの経験や、日々の暮らしで考えたことなどを「オンエア」。「読む」ラジオとしてお付き合いいただければ幸いです。

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