面白そうなので書店で手に取ったけれど、買って読もうとまでは思わず、図書館に予約を入れたら数百人待ち。そんな“話題の”新書がようやく予約から1年を経て順番が回ってきた。
本書は講談社「現代ビジネス」に掲載された論考の中から16編を選び加筆修正を加えたもの。テーマは日本人論や若者の生態、経済、教育、差別など幅広くかつ興味深い。
そのいずれにも伏流しているのはタイトルにもある「死角」という視点。私たちが「常識」とか「当たり前」だと考えていることの背後にある「死角」にスポットライトをあてることで、今の社会の姿が浮かび上がってくる。(講談社現代新書)