落ち葉の季節になると、この絵本を思い出します。葉っぱが生まれてから、地面に落ちて土にかえるまでの物語。
この本はアメリカの著名な哲学者レオ・バスカーリア博士が書いた、生涯でただ一冊の絵本だそうです。大人から子供まで楽しめる内容です。
葉っぱのフレディは枯れ落ちること、つまり死ぬことを怖がっているのですが、同じ葉っぱの親友ダニエルとの対話を通じて、その運命を理解し受け入れてゆきます。
葉っぱに生まれたら、枝にあるうちは太陽の光をあびて養分を創り出し、木の成長を支え、その使命を終えたら、今度は枯れて土になり、再び木の成長を別のかたちで支えてゆく。
命あるものは次の世代にバトンを渡して自らは死ぬという生命の循環。読んでいて、この壮大な自然・生命の循環にあらためて思いが至ります。
これは人間も同じこと。それが、良いとか悪いとか、正しいとか誤りだとか、そういった価値観が入る余地は一切ない。
わたしたちは、生命の循環の中に在るということ。シンプルにただそれだけのことなのであります。(みらい なな訳/童話屋)