育児に忙しかった頃、妻も私も子供への絵本の読み聞かせには熱心でした。もともと本が好きでしたので、肩肘を張らず自分達も一緒に楽しみながらの話です。
毎晩寝かしつけの際に2~3冊。仕事で疲れている時などは、この音読がなかなかしんどい。読み終わってそのまま子供と一緒に眠ってしまうこともよくありました。
さて、子供たちの成長と共に絵本に触れる機会はすっかり減ってしまいましたが、それでも時々棚から引っ張り出して、息子や娘と幼い頃の思い出話で盛り上がることも。
持っていた絵本はほとんど処分してしまったのですが、子供たちが「とっておきたい」と今も棚に残っている本が数冊。「絵本 ことばあそび」はそのうちの一つです。
大人が読んでも楽しい内容。語呂合わせや回文、ダジャレなど、ことばを自由に組み合わせて創作されたフレーズがユニークな絵と共に描かれています。
私が特に気に入っているのが「にわとりとことりとわに」という回文です。やさしそうな顔をしたワニが、口先の上にはニワトリ、尻尾の先には小鳥を乗せている、なんともほのぼのとした絵が描き添えられています。
もちろん、小さな子供が楽しめるシンプルな創作も盛りだくさん。たとえば「かさねおとことば」という章では「あめがしとしと あしはじとじと」とか「あせがたらたら いちにちじゅうだらだら」といったリズミカルなフレーズと挿絵が並びます。
初版は1982年とありますので、もう40年も読み継がれているのですね。ちなみに我が家の本棚にあるのは2003年の発行。
やがてはこの本を孫に読み聞かせる日が来るのか?そんなことがふと頭をよぎるとは…自分の歳を再認識させられました。(岩崎書店)