息が詰まるようなこの場所で(外山薫 著)

息が詰まるようなこの場所で(外山薫 著)

タワマンを舞台に、殺伐とした東京の日々を生きる人々の姿を描いた作品。湾岸のタワマンに住み、子供の中学受験に邁進する2組の夫婦それぞれの視点で計4つの物語が織りなす人間模様。

私は幸か不幸かタワマンには全く縁がなかったが、「同じタワマンでも、高層階と低層階には文字通り、天と地の差がある」「タワマンには三種類の人間が住んでいる。資産家とサラリーマン、そして地権者だ」など本著から色々と学ばせてもらった。

子供の頃は受験戦争に駆られ、社会に出たら出たで常に他人と自分を学歴や地位で比較しては一喜一憂、時には激しい焦燥や葛藤に悶絶する。

タワマンはそんな大都会東京の競争社会の縮図であり象徴だと言えそうだ。(KADOKAWA)