かつて、会社への通勤は「痛勤」と呼ばれ、満員電車に揺られて職場と自宅を往復するのが、東京のサラリーマン生活では当たり前でした。
交通の便がよい都心に住むことなど夢のまた夢。遠い人では片道2時間かけて会社に通っている人もいましたが、総じて片道平均1時間程度は電車にすし詰めだったと思います。
実は私も会社の寮になかなか入れてもらえず、実家から片道2時間コースで通っていた時期があります。朝夕の通勤ラッシュに辟易としていました。
そんなある日、テレビで通勤に関する特集番組か何かを見たのですが、そこでこんな計算を披露していました。
通勤時間が1日2時間(片道)なら、月20日勤務として1年で960時間=40日になります。この生活を30年続けると40×30=1,200日ですから3年超。つまり、人生の約3年間を満員電車で過ごすことになる。
これを聞いたとき私は少し背筋が寒くなったのを覚えています。あの時以来、通勤時間は私にとって撃退すべき敵になりました。