職場の管理室。夕方の作業を終えて一休みしていると、めずらしく小学生の男の子が二人窓口にやって来た。
「あの…この手袋が落ちてました」と。4年生くらいだろう、館内でよく見かける男の子の一人だ。緊張した面持ちで婦人用のグレーの手袋を一つ差し出す。
「ありがとう!どこで拾ってくれたのかな?」と聞くと「あそこのドアをでて真っすぐいったところです」と。正義感に満ちた彼の表情がなんとも微笑ましい。
翌朝、エントランスで再び彼に出くわす。「昨日はありがとう!」と声をかけると、「いえいえ」と足早に学校へ向かった。