NHKで放送されたドキュメンタリー「在宅死 “死に際の医療” 200日の記録」にシーンを追加、再編して映画化された「人生をしまう時間(監督 下村幸子)」を観てきました。これは、患者が自宅で人生の最期を迎える在宅死に向き合い奔走する在宅医療チームの実録です。
私は妻が在宅医療の看護師で、両親は半年前まで在宅医療・介護を受けていましたので、このドキュメンタリーはテレビ放映された際に視聴しました。
しかし、映画化されたとはつゆ知らず、たまたま妻からの情報で、上井草の包括支援施設で自主上映会が催されると聞き、夫婦で出かけてきた次第。
人間はみな同じように生まれてくるのに、死ぬときは本当に人それぞれ。そんな百人百様の死にゆくプロセスに寄り添う家族、そして伴走する医師や看護師たち。
それぞれの「人生をしまう時間」がありのままに描かれた本作品を見て、旅立つ患者さんお一人おひとりに寄り添うことの大切さをあらためて感じました。
ところで、この上映会、コロナ対策のため1回に入場できるのは10名まで。観賞後はその10名に主催者側のスタッフ2名が加わり、感想などを自由に語り合うフリートークの時間が30分ほどありました。
初対面の人たちと共に映像を見て、共に語り合うというのは初めての経験でしたが、皆さん何らかの形で終末期の介護や医療に関わっている方々であり、自然と話も弾みます。
お一人おひとりのコメントを聞くにつけ、私も在宅介護の末に父を看取った人間として、共感できることばかりでした。
内容的には決して明るく楽しい話ではないのに、お互いの経験を言葉にして共有することで、不思議と心が温まるような、そんな気持ちになりました。