若かりし頃、父に「歳をとるってどんな感じなの?」と質問したことがある。あの頃、たぶん父は50代、自分は血気盛んな20代。
「身体は衰えるけど、気持ちは20代の頃と変わってないよ」と言った父の笑顔を思い出す。
当時の私は「気持ち」だって歳をとるだろうと父の返答にいま一つ納得できなかったのだが、還暦を迎えた今は「父の言うとおりだ」と日々痛感している。
自分の中では気持ちはいつまでも若い。でも身体は正直だから、気持ちについてこれない。このなんとも不思議な感覚は、歳をとってみないとわからないことだとわかった