最初に就職した食品メーカーでは、社会人としての「基本のき」を全て教えてもらった。少々人使いは荒かったけれど、若手にもどんどんチャンスをくれる会社。
おかげで、私も在籍した4年間でかなり幅広い経験をさせてもらうことができた。慢性的な人材不足で余裕がなく、毎日が総力戦という感じだった。
職場では素晴らしい仲間にめぐまれた。正直なところ仕事はきつかったが、いま振り返ってみれば楽しい思い出が多い。
もし、国や学校に使う「母国」や「母校」という表現を借りることが許されるなら、同社は未熟な私を育ててくれた「母社」。
転職して母社を離れてからも応援し続けようと、ずいぶん前にわずかながら株を買った。
先週、同社から「株主10年記念」の品として「トマト薫る特製グラス」が2つ届いた。早いもので、もう10年も「ほったらかし」にしていたのか…。
「トマトジュース専用に設計したオリジナルグラス」とあるが、私の目にはただのガラスのコップにしか見えない。
「(このグラスは)トマトジュース以外でもご使用いただけます」とわざわざ注意書きがあるのが微笑ましい。これからも応援し続けようと思った。