読売歌壇で見つけた短歌―――
観なくても
平気になった連ドラの
ように会わない
日々に馴れゆく
(小林真希子)
「かつては日常的に会っていたこと、いなければいないで意外と大丈夫なこと。連ドラの比喩が過不足なく伝えてくれる」(評:俵万智)
私はこの歌を読んで、作者と「かつてよく会っていた人」との強い結びつきを感じた。ちょっと大げさだが、たとえ会わなくても綻ぶことのない絆。
ずいぶん昔の歌で恐縮だが『ただお前がいい』(中村雅俊)にこんな歌詞がある。
〽また会う約束などすることもなく それじゃまたな と別れるときの お前がいい
ホンモノの友情や愛情に根差した関係って、きっとこんな感じなのだろうと思う。