最近よくある現象なのだが、ふとした瞬間に昔の記憶が蘇る。思い出そうとしたわけでもないのに。
町を歩いているとき、電車に乗っているとき、わが身のスキマ時間を狙いすまして埋めに来るのだ。
それも大抵「思い出したくないこと」である。「切ないこと」や「恥ずかしいこと」のオンパレードで「楽しいこと」はめったに再生されない。
これも老化現象なのだろうか。記憶のファイルから削除したはずの動画が勝手にゴミ箱から元の位置にもどり自動再生される。
その度にもう一度ゴミ箱に移すのだが、たぶん命が続く限り「ゴミ箱を空にする」ことはできないのだろう。