老害の人(内館牧子 著)

老害の人(内館牧子 著)

本著は内館さんの「高齢者小説4部作1」の最新版。初作の『終わった人』は小欄でも紹介させていただいた。

私はまだ「老害」という歳ではないという根拠のない自負から「慌てて読まなくてもいいかぁ」と思い図書館で1年前に予約し、ようやく順番がきた。

実はこの作品、今年5月にNHKがドラマ化して放映。私は読む前に見てしまったのでスラスラと読み進んでしまい、数日で読了した。

テレビでは後半「熟女キャバクラ」まで出てきて驚いたが、原作ではそのような「飛躍」はなく、最後は「老害」たる登場人物たちが、しみじみと「老い」を語って物語が終わる。

「10年後の自分はこんなふうになるのだろうか…」と、しばし考えさせられた。(講談社)

  1. 終わった人(2015)  すぐ死ぬんだから(2018) 今度生まれたら(2020) 老害の人(2022)  ↩︎