化粧品会社の駐在員としてドイツに赴任したのは1995年の夏ですから、もう27年も前のことになります。
初めての海外駐在、ドイツで暮らすのも初めて、何もかもが「初めて」尽くし。最初はどうしても良きにつけ悪しきにつけ「日本との違い」が気になります。
ドイツと言えば高級車、ベンツ、BMW、ポルシェ、アウディー、VW…。予想通り、町を走る車は(当たり前ですが)ドイツ車ばかり。
それでも、ベンツのタクシーやトラック、それにゴミ収集車までベンツのエンブレムをつけているのにはさすがに驚きました。
既に在独10年近い前任者に言わせれば「ベンツは日本で言えばカローラみたいなものです」ということらしい。
なるほど。逆に言えばベンツは日本市場における高級ブランドイメージ戦略を見事に成功させているということです。
BMWはBayerische Motoren Werke GmbHの頭文字をとったもの。つまりバイエルンのエンジン工場というドイツ語の略だし、VWはVolkswagenでVolk(国民・大衆)、Wagen(車)。
地元ドイツ人から見ればなんてことはない!?のに、日本人の私はこうしたブランドを、いままでずいぶんとありがたく戴いて、羨望の眼差しで見ていたのですね。
物事は常に広い視野で、かつ様々な視点からとらえることが大切だと、このとき学びました。